腎臓病の人はカリウムの摂りすぎに注意!食事で減らす方法は?

必須ミネラルの一つであるカリウムを、腎臓病の人は制限する必要があることをご存じですか?カリウムと腎臓の関係を知らなければ注意をすることができません。今回は、カリウムが体に与える影響と、カリウムを摂り過ぎないための食事療法を解説していきます。

カリウムが多いと腎臓病にどのような影響がある?

腎臓病は、腎臓の機能が低下してスムーズに働けなくなる病気です。腎臓の機能低下が進んだ状態を腎不全と言いますが、腎不全には薬や多量の出血が原因で急激に腎臓の働きが悪くなる「急性腎不全」と、時間をかけて腎臓の働きが悪くなる「慢性腎不全」があります。

急性腎不全は適切に治療をおこなうことで、腎臓の機能が回復する可能性はあります。しかし、慢性腎不全の場合は、低下した腎臓の機能を回復させることは難しく、薬物療法や食事療法などで腎臓の機能低下の進行を遅らせる治療がおこなわれます。

カリウムを制限する理由

カリウムは人体に重要な栄養素である必須ミネラルの一つです。カリウムは主に体の細胞内の体液である細胞内液に存在して、神経や筋肉の働きをサポートするとともに、血液やリンパ液などに含まれるナトリウム(塩分)の量を調整する役割があります。

体内のカリウムは、役目が終わると老廃物になり90%が尿により体外に排泄され、残り10%は便で排泄します。しかし、腎臓病で腎不全が進むと、体内の老廃物を排泄する機能は低下して、カリウムが尿から排泄することができなくなり体に不調をきたします。そのためカリウムを制限する必要が出てきます。

高カリウム血症の危険

高カリウム血症とは、体内の血液に含まれるカリウムの量が一定の範囲を超えている状態です。腎臓病で老廃物を尿として体外へ排泄することができなくなると、血液中のカリウムの濃度が高くなります。血液に含まれるカリウムの基準値の範囲は3.5~4.8mEq/Lですが、5.5 mEq/L以上になると高カリウム血症の診断がくだされます。

■高カリウム血症の症状

  • 吐き気や嘔吐
  • 筋力の低下、脱力感
  • 知覚過敏
  • 不整脈

血液中のカリウムの濃度が7~8mEq/Lを超える高カリウム血症では、脈が速くなる頻脈性不整脈から心停止が起こり、命の危険につながることもあります。

一日のカリウムの摂取量は?

一日に必要なカリウムの摂取量は、健康な成人の男性で2,500mg 、女性は2,000mgです。ただし、この摂取量は腎臓の機能に問題がなく、不要になったカリウムの排泄がスムーズにできる人にあてはまる数値になります。

腎臓病の人の一日のカリウム摂取量は、およそ1,500mgです。摂取が可能なカリウムの数値は、血液検査の結果などをもとに、医師と相談して具体的な目標の数値を決めます。

カリウムが多く含まれる食品・野菜

カリウムは野菜、果物、海藻などの植物性食品や、肉や魚などの動物性食品など多くの食材に含まれる栄養素です。そのため、日頃から口にすることが多いですので、摂取量を控えるには、カリウムが多く含まれる食品を知っておくことが重要になります。

野菜や果物に多い

■カリウムを多く含む野菜(100gあたりの含有量mg)

  • 切り干し大根(乾燥)/3,200
  • かんぴょう(乾燥)/1,800
  • パセリ/1,000
  • ほうれん草/690
  • ユリ根/690
  • 里いも /590
  • 大豆(ゆで)/570
  • サツマイモ/540
  • モロヘイヤ/530
  • にら(生)/510

■カリウムを多く含む果物(100gあたりの含有量mg)

  • 干しぶどう/740
  • アボカド/720
  • 干し柿/670
  • プルーン(乾燥)/480
  • バナナ/360
  • メロン/350
  • キウイフルーツ/290
  • さくらんぼ(米国産)/260
  • ざくろ/250
  • パパイヤ/210

野菜や果物に含まれるカリウムの量は、生よりも乾燥させた状態のほうが含有量は増えます。果物でカリウムを多く含むバナナは、100gが中サイズ1本分、メロンは1/8カット分に相当します。甘いフルーツは食が進みやすくなりますが、食べ過ぎには注意しましょう。

カリウムが少ない食品には、フルーツはリンゴ、みかん。野菜では緑豆もやし、カイワレ大根などがあります。

ご飯や麺、肉類も多め

主食になるご飯や麺にもカリウムは含まれています。ご飯はお茶碗1杯(200g)で58mg、ラーメンは100gあたり60mg、そばは34mgになります。主食は1回にカリウムを摂取する量は少なくても3食摂ることを考えると注意が必要です。

また、カリウムは日常的に食べられる肉類にも多く含まれています。カリウムを多く含む肉類には、100gあたりの鶏ささみ420mg、豚ひれ肉410mg、豚もも肉350mg、牛ひれ肉(輸入)370 mg、牛もも肉(輸入)340mgなどがあります。

意外に多いインスタントコーヒー

インスタントコーヒーに含まれるカリウムは、100gあたり3,600mgと非常に多いです。100gは小さじスプーン1杯半に相当し、インスタントコーヒー1杯で1日の摂取量を大きく超えてしまうため注意が必要です。コーヒーを飲む場合は、レギュラーコーヒーを選ぶと、コップ1杯でカリウムを65mgに抑えられます。

低カリウムレタスというものがある

低カリウムレタスは、一般的なリーフレタスに比べてカリウムの含有量が約80%も低いレタスです。カリウムの摂取量を控えるために、生の野菜が食べられない腎臓病の人のために作られた野菜であり、カリウム以外の栄養素は、一般的なリーフレタスと変わりませんので、安心して食べることができます。

食材のカリウム量を減らす調理法

野菜に多く含まれるカリウムも、調理にひと手間かけることで量を減らすことができます。

カリウムは水に溶けやすい

カリウムは水に溶けやすい性質をもっています。そのため、野菜を水洗いすることや、水にさらす、茹でるなどの調理方法でカリウムは溶けて減ります。

野菜は細かく切って茹でこぼす

野菜を調理する際に、鍋で水から野菜を煮て、沸騰した茹で汁は捨てる「茹でこぼし」をすると、カリウムを生の状態と比較して1/3~2/3の量に減らせます。さらに、野菜を細かく切って茹でこぼしをすると、野菜の切り口から多くのカリウムが水に溶け出して大幅に減らすことができます。

果物は缶詰がいい

果物は生に比べて缶詰のほうがカリウムは少ないです。ただし、缶詰のシロップにはカリウムが多く含まれていますので、缶詰は果物だけを食べるようにして、シロップは飲まないようにしましょう。

カリウムを減らすレシピ

緑豆もやしは、100gあたりのカリウム含有量が24mgであり、カリウムの摂取量を制限している人には安心して食べられる食材です。

■緑豆もやしを使ったレシピ

(緑豆もやしのナムル)

  1. 緑豆もやし1袋を用意します。
  2. 緑豆もやしの根を取り、茹でます。
  3. ニンニク1片のすりおろしと、ゴマを適量すります。
  4. しょう油・ゴマ油を各5cc、ラー油を少々をニンニクとゴマに合わせます。
  5. 合わせた調味料に茹でたもやしを加えて混ぜれ完成です。お好みでネギを加えてください。

まとめ

体に必要な栄養素のカリウムも、腎臓の機能が低下している場合では、命に関わる体調不良をもたらします。食事によるカリウムの制限には正しい知識が大切です。しかし、これまで食べてきた食材を我慢することは辛いことでもあります。腎臓病の人は、医師に相談して一日に摂取してもいいカリウムの限度を知り、食材選びや調理を工夫してカリウムの含有量を減らしてみましょう。

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